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240126_キッカー基板v3.2試作品_充放電テスト

この記事は2024年1月26日にチーム内Wikiに書かれたレポートを転記したものです.

目的

キッカー基板v3.2試作品の充放電動作を確認する。

結果

充電動作について,シャント抵抗(R14,R15)を5mΩに設定した場合では12秒程度で200Vまで充電することを確認。
シャント抵抗を3mΩに設定した場合は300ミリ秒で130V程度に達し,充電が停止した。

放電はストレート用,チップ用ともに正常に動作した。

充電テスト

方法

充電回路(昇圧回路)の各部の波形を観測する。

  1. R14に5mΩシャント抵抗を実装,R15は未実装。充電停止電圧が200V程度になるようにR16, R17を調整。
  2. 充電時の波形を観測。
  3. R14を3mΩに変更。
  4. 充電時の波形を観測

プロービング

  • CH1: シャント抵抗(R14,R15)端子間電圧
  • CH2: MOSFET(Q1)ドレイン電圧
  • CH3: トランス2次側電圧
  • CH4: 電源電流

image.png

実験結果

シャント抵抗5mΩ設定時

シャント抵抗3mΩ設定時

image.png

放電テスト

方法

放電回路(IGBT)の各部の波形を観測する。

  1. R16, R17は十分に小さく設定し,R14に5mΩを実装,R15は未実装。
  2. キャパシタ電圧が100V, 150V, 200Vに達した時に手動で充電を停止する。
  3. マイコンからゲート信号をONにして,放電動作させる。
  4. 十分時間が経過した後にゲート信号をOFFにする。

プロービング

  • CH1: IGBTゲート電圧
  • CH2: IGBTコレクタ電圧
  • CH3: キャパシタ電圧
  • CH4: コイル電流

チップキック側回路。ストレート側も同様。
image.png

実験結果

ストレート側

キャパシタ電圧:100V

巻き数多めコイル-ストレート-100V.png

キャパシタ電圧:150V

巻き数多めコイル-ストレート-150V.png

キャパシタ電圧:200V

巻き数多めコイル-ストレート-200V.png

チップ側

キャパシタ電圧:100V

巻き数多めコイル-チップ-100V.png

キャパシタ電圧:150V

巻き数多めコイル-チップ-150V.png

キャパシタ電圧:200V

巻き数多めコイル-チップ-200V.png

損失計算

ストレート側,200V条件の波形データからスイッチング時における各部の損失を計算した。

計算結果は以下の通り。

部品 損失 [J]
IGBT C-E間  0.27
コイル 38.38
上記合計 38.65

キャパシタに蓄えられるエネルギーは,

となり,キャパシタの容量抜けを考慮すると妥当。

参考:スイッチング時のコイルとIGBTの損失(縦軸:損失[W],横軸:時間[s])
image.png



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240525_ロボット重心測定

この記事は2024年5月25日にチーム内Wikiに書かれたレポートを転記したものです.

目的

ロボットの3次元的な重心位置を計測する。

結果

2台,4種類の条件で重心を計測した。

結果は下の表の通り。
位置はボトムプレート下面、外形の円中心が基準。
右方向が+X、前方向が+Y、高さ方向が+Z,下図の通り。

リポチェッカー,ラズパイは非搭載。

ロボット番号   X   Y   Z 
4 1.1 -8.9 47.0
7 2.1 -8.3 46.5
7(リポなし) 2.2 -2.0 44.8
7(リポなし、下半分)  0.6 -1.4 26.4

重心計測の基準位置

axis.png

測定方法

一度の計測で3次元の重心位置を得ることができないので,
2次元の重心位置を姿勢を変えて数パターン計測する。

2D重心位置の計測

ロボットを3点で支え,その3点の荷重をキッチンスケールで計測する。

計測点の位置と各点の荷重から,水平面に投影された重心位置を得ることができる。

image.png

各計測点の位置関係を下図のように定義する。

各計測点の座標を

,投影された重心位置を

それぞれの荷重を

とした。

point.png

ロボットが静止していれば,X軸回り,Y軸回りのモーメントはいずれもゼロである。

したがって,

重心位置

について解けば,次の解が得られる。

これで,水平面に投影した重心位置が計測できることがわかった。

3D重心位置の計測

3次元の重心を計測するため,ロボットの姿勢を変えて2Dの重心計測をする。

各記号を以下のように定義する。

define.png

ロボットの姿勢を回転行列Rに従って回転させることで,
重心は次のように移動する。

このうち,観測できるのは

のみであるので,
観測行列Cをかけて取り出す。

これでロボットの姿勢を傾けたときの重心計測を定式化できた。

姿勢を変えた計測は数パターン行う。
Nケース計測を行うとして,この時の姿勢変換行列を


それぞれ計測された重心位置を

とした。

次のような線形方程式

を解くことで3次元の重心位置

を求めることができる。

明らかにMは正方行列ではないので,疑似逆行列とか特異値分解でそれらしい値を出せばいいと思う。

MATLABの場合v = M \ wとすることで,QR分解を用いたいい感じの解(たぶん最小二乗解)を出してくれる。

今回の測定パラメータ

計測点の配置

半径90mm,120度ごとに配置

config.png

治具の角度

オイラー角(ZYX),各軸のプラス方向から見て反時計回りを正とする

治具No.  Z[deg.]  Y[deg.]  X[deg.]
1 0 0 0
2 0 0 30
3 0 15 0
4 0 0 -15


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230617_無線通信遅延計測実験

この記事は2023年6月17日にチーム内Wikiに書かれたレポートを転記したものです.

230617_無線通信遅延計測実験

WioTerminalとTP-LINK Archer C5400を用いてBroadcastとUnicastでの遅延時間の差を計測する実験を行った

評価方法

WiFiルーターと有線LANで接続したPCから,WiFiで接続されているWioTerminalに対してbroadcastとunicastでパケットを送信し,それぞれの到達時間を計測した.
WioTerminalはUSBでPCと接続し,受信したパケットはpayloadのみを取り出してUSB経由でPCへと送信している.
パケットの送信間隔は15msに設定した.

評価システム図

thumb.jpg

測定方法

Broadcast

遅延測定ツールのパケット宛先を192.168.4.255にして測定

Unicast

遅延測定ツールのパケット宛先を192.168.4.145にして測定

試験結果

Broadcast

およそ100msの遅延

Unicast

およそ5-10msの遅延

測定結果

Broadcast

broadcast.png

Unicast

unicast.png



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