新規参入の方必見 練習用フィールドを作ろう

前に行ったフィールドセットアップの紹介の記事では,主にカメラについてまとめました.
今回はフィールドを作るうえで必要なものを包括的にまとめて行きます.

この記事は,ssl-zemi 11月(2023/11/25)に発表した内容を編集した物です.

場所

練習を行うには広いスペースが必要です.我々は主に,公民館などの貸会議室を活用しています.我々が会議室を借りる時に目安にしているのは次の通りです.

  • 60-100 m^2 程度 (半分フィールド,半分作業エリアとして利用)
  • 天井高 2.5 m 以上
  • 利用料金 ¥4000-6000/Day
  • 連続利用日数 3-4日 (実活動時間2日程度,初日は搬入とセットアップ,最終日午後は搬出)
  • 夜間に荷物を置いたままにできるか
  • Free WiFiがあるとなおよい

貸会議室の風景

カーペット

パンチカーペットをここから購入しています.1.8 m巾もありますが,可搬性を考えると91 cm巾が便利です.MFTなど会場によっては防炎ラベルが必要になりますので,購入時に合わせて準備することをお勧めします.
また,下にべニアを敷く場合や,常設するときはカーペット用両面テープが有効です.

白線

白色のマスキングテープ一択です.ビニールテープは縮んでしまい,カーペットごと歪んでしまいます.チョークなどの筆記具を使う場合色が残ってしまうので,場所ごとに組み替えてカーペットを利用する場合に適しません.

広いフィールドに壁を用意するのは非常に大変です.我々は常設の場合や,ボールが転がって困る場合に製作しています.木材の色がVisonシステムに影響を与える場合があるので,セットアップを楽にするという意味で,黒く塗装することをお勧めします.

フィールド MFT2022

展示会場ではボールが転がっていくのを防ぐために,高めの壁を用意しました.角は直角クランプで固定することで,工具なしでの組み立てが可能です.木材が大きいため運ぶのは少し大変です.

MFT2022フィールド

フィールド MFT2023

MFT2022では可搬性に課題があったことや,より大きなフィールドをカバーする必要があったので,壁を30×40の角材で製作しました.木材同士は金具で固定し,カーペットに養生テープで張り付けてあります.このフィールドは可搬性は高く非常に便利でしたが,壁が少し低く,ボールが飛び出すことが多くありました.壁の高さは最低80 mm程あったほうが良いと思われます.

MFT2023フィールド

メンバー宅

1×4材を黒く塗装して使用しています.常設しているので,可搬性などは考えられていません.塗装は結構手間です.

umagoya

SSL-Vison用カメラ

AliExpressで購入したUSBカメラを使用しています.比較的安価に必要な性能を得ることができます.性能はざっと以下の通りです.

ありえくのスクショ

  • イメージセンサ IMX290
  • USB 3.0対応
  • YUYV, MJPEGに対応
  • 1080p 60fpsで出力可能
  • 焦点距離2.8 mm

広角のレンズがついており,低価格であるという2点に着目して購入しました.基板が向き出しの製品ですので,3Dプリンタ製のケースを作って使用しています.

カメラケース

カメラの画角

カメラの固定

背景用スタンドにカメラマウントを取り付けて使用しています.最大高さ2.8 m 幅3 mまで広げることでき,1 m程度の大きさに分割可能して輸送ができます.袋もついてくるので非常に便利です.足元が三脚になっているため,狭いとことでは少し使い勝手が悪いです.金額に余裕があり,工具ありの組み立てを考えるのであれば,Misumiのアルミフレームなども視野に入るかもしれないです.

背景スタンド展開

SSL-Vison用PC

小型のデスクトップをYahooオークションで購入しました.1台¥6000程度で4台入手しました.

  • CPU:Intel Core i3-6100T
  • メモリ: 4 G
  • SSD: 256 GB

miniPC

性能としては,YUYV:1080pの設定でギリギリ動く程度です.普段はカメラを複数用意したり,フィールドが小さいのでMJPEG:720pで運用することが多いです.
複数のカメラ接続時のためのUSBケーブルの延長やUSBハブによって動作が不安定にならないように,1カメラにつきPC1台を使用する構成にしています.

まとめ

新しくフィールドを作るのに必要な費用をまとめると次の通りです.

物品 費用
カーペット ( 30 m ) ¥20,000-
壁 ( 3×4 m程度 ) ¥5,000-
SSL-Vison用カメラ ¥10,000-
カメラ固定スタンド(背景スタンド) ¥5,000-
SSL-Vison用PC ¥6,000-
合計 ¥46,000-

延長ケーブルなどの細かな出費を合わせても,5万円程度でフィールドを製作することができます.
決して安くはありませんが,現実的な値段で動作確認ができます.

加えて,輸送費¥10,000(場所にもよる)と会場費¥20,000程度で1回の練習会などが開催できます.

最近はもう少し大きなサイズ(div. B程度)で動かしたいと思うこともありますが,場所の確保が難しくなかなか実現できておりません.

積分の公式として $$ \int^{b}{a}f(x)dx = \int^{c}{a}f(x)dx + \int^{b}_{c}f(x)dx $$ は重要である.


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